プロポーズで贈るものといえば指輪。いわゆる婚約指輪は、箱をパカッと開けて「僕と結婚してください」が長らく定番でした。しかし、近年では、「指輪は彼女と一緒に選びたい」という男性が増えたこともあり、指輪以外のプレゼントを用意してプロポーズするスタイルが増えています。特に人気となっているのが、花とガラスの靴。花をプレゼントするイメージはつきますが、ガラスの靴が人気の理由はイマイチ浮かびません。そこで今回は、プロポーズアイテムとして人気急上昇中の「ガラスの靴」人気の秘密に迫ります。
おとぎ話「シンデレラ」から生まれた「ガラスの靴」
みなさんご存じの童話・シンデレラ。主人公であるシンデレラが着用していたのが「ガラスの靴」です。ストーリーが曖昧な方の為にまずは物語を簡単に振り返りましょう。
ままははと姉らによって日々いやがらせを受けていたシンデレラ。ある日お城で舞踏会が開かれることを知ったシンデレラですが、自分には着ていくドレスがありません。そんな中出会った魔法使いによって、舞踏会が開かれる日の翌午前0時までという期限付きの魔法がシンデレラにかけられます。美しいドレスやアクセサリー、ガラスの靴を身に着けたシンデレラは、念願の舞踏会に参加。そこで城の王子に見初められます。
舞踏会も終盤に差し掛かった時、午前0時の鐘が鳴ります。この鐘は魔法が切れることをも意味し、それに焦りを感じたシンデレラは慌ててお城を後にすることに。その時駆け降りた階段で、シンデレラは片方のガラスの靴を落としてしまいます。後々、シンデレラが落としたガラスの靴を手掛かりに王子はシンデレラを探すことにしました。
継母や姉はもちろんのこと、町中を探してもガラスの靴に足が合う女性がいない中、ついに靴の持ち主であるシンデレラが足を入れる時がやってきます。王子が差し出したガラスの靴に、ピッタリと足が合ったシンデレラ。やっとの想いでシンデレラと再会を果たすことができた王子は、自身の妃としてシンデレラをお城へ迎えいれました。
こうして、王子とシンデレラが再開する手がかりとなったガラスの靴は、長年の間、“愛と幸せの象徴”として印象付けられています。
「指輪は2人で選びたい」が「ガラスの靴」人気を呼ぶ
プロポーズの際に言葉とともに添えるアイテムといえば、長らく婚約指輪が定番でした。今でもその人気は変わらずですが、ここ最近は「指輪はプロポーズ後に二人一緒に選びたい」という意見の男女が増加。「サイズがわからない」という男性側の意見と、「自分の気に入った指輪を身に着けたい」という女性側の意見両方が合致した結果、こういった傾向が強まったと考えられます。
また、ディズニーランドでプロポーズするカップルが多く、中でもシンデレラ城の前でプロポーズというスタイルが若い男女の間で人気となったことも、人気の理由として挙げられます。
男性から女性へ靴を贈る意味とは
ガラスの靴について調べてみると、イタリアに伝わる素敵なお話がありました。
最近話題の「アモーレ(愛する人)」もイタリア語。イタリア人は恋愛に対して情熱的な人が多いことから、「愛の国イタリア」という呼び名を持つほどです。そんな愛の国・イタリアには、「素敵な靴は、その人を素敵な場所へ連れて行ってくれる」という言い伝えがあります。
人生を歩んでいく中で、様々な場所へ出かけ、様々な人に会うには自分自身の足で一歩ずつ歩いて行くことが大切です。そして、その一歩を進む為には、靴が必要です。こういったことから、靴は人生を決める大切な道具と位置付けられているのです。
プロポーズの際に男性がガラスの靴をプレゼントすること、それはつまり彼女がこれから人生を歩んでいく中で必要な「道具」を贈るということに値します。プレゼントしたガラスの靴とともに、これから2人で人生を歩んでいくことは、同時に「あなた(彼女)を生涯幸せにします」という誓いともとらえることができるのです。
おとぎ話・シンデレラから生まれたガラスの靴は、愛と幸せの象徴であるとともに、女性を生涯幸せにするという男性の誓いの意味も含まれるのです。物語のようにロマンチックなガラスの靴にまつわるエピソードを胸に、みなさんも最高のプロポーズをしてみてはいかがでしょうか。2人らしいシンデレラストーリーで、彼女を本物のプリンセスにしてあげましょう。
この記事の著者紹介
KANA
1985年生まれ。女性(既婚) コラムニスト。
チャレンジ精神が旺盛で、Webデザインや衣装デザインの会社のアルバイト、コンビニ店員や本屋の店員などさまざまな仕事をしてきた。
性に関する赤裸々な話から、付き合いたてのカップルに向けた記事など、幅広い内容で執筆できる。